【はじめに】

昨今の採用は、人手不足からくる売り手市場で、リアルに企業と求職者が接点を持てる会社説明会は、とても大切な機会です。

ここでは、採用ツールの中の「会社説明スライドとプレゼン」に注目して、ポイントを詳しく解説します。

 

皆さんの会社でも会社説明会を実施する際に、説明資料として、スライドを活用していますか?

もう既に活用している、という声も多いと思いますが、これまで定番で使ってきた説明会スライドの「更新が必要」だと考えている企業もいらっしゃるのでは?

会社説明会は、学生にとって企業を知る最初のアプローチになります。

質の良いスライドとプレゼンで、多くの求職者を惹きつける効果的なアピールをできるようにしましょう。

 

 

【会社説明スライドに入れるべき情報】

 

会社説明スライドには、必ず入れたほうがよい情報があります。

会社の基本的な情報と、求職者向けの募集要項や業務についてなどです。

 

 

  • 会社概要

・社名

・設立年月日

・創業者名

・事業内容

・所在地

・従業員数

・拠点や支店

・組織図

・所属グループ名

・上場市場など

 

  • 企業理念

・ビジョン

・業界での課題

・創業ストーリー

・沿革など

 

  • 事業内容

・業種

・業界内でのポジション

・商品やサービス

・自社の競争優位性や強み

・今後の方針など

 

  • 業務内容

・職種・部署の紹介

・仕事内容

・仕事のやりがい

・身に付くスキル

・キャリアパスの例

・研修体制など

 

  • 募集要項

・求める人物像

・勤務の詳細(所定労働時間と曜日・年間休日・会社独自の休暇制度・平均残業時間・勤務地等)

・給与・福利厚生

・職種ごとの採用予定人数

・選考の流れやスケジュールなど

 

 

【会社説明会スライドのポイント】

 

  • 1スライドにつき1つのテーマ

1ページにつき、伝えたいメッセージをひとつに絞り、ページが進むにつれて話題が進んでいくような構成にしていくと、聞いている側も情報が入りやすくなります。

 

  • デザインはシンプルに

情報量が多すぎたり、余分な動きが多すぎたりすると、まとまりがなく感じられるので、デザインはシンプルにした方が、情報が聞いている側には伝わりやすいです。

具体的には、「使用する色は3~4色に絞る」「フォントは統一する」「アニメーションを多用しない」などです。

 

  • フォントサイズは大きめ、文字数は少なめ

奥行きのある会場で使用する場合、後ろの方の席の人には見えづらく、特に小さな文字がたくさん書かれていると、聞いている側の興味関心を低下させてしまう可能性があります。

そのページの要点や強調したい部分に的を絞ることが大切です。

強調する箇所は、通常の文字の大きさに対して「2倍くらいのフォントサイズ」にし、「文字色」や「太字にする」「下線を引く」、「枠で囲む」なども有効です。

 

  • 図や写真を使う

要所要所で図や写真、イラストなどを使うことで、イメージを直感的に伝えることができます。

 

特に、デジタルネイティブであるZ世代は、写真やイラストなどを使い視覚的に情報を伝えた方が、Z世代である学生には理解してもらいやすい傾向にあります。

Z世代とは、生まれた時からインターネットがある環境で育った世代を指し、近い言葉にはデジタルネイティブ世代があります。

特にZ世代の中でも、2000年代後半以降に生まれた場合は、物心がついたときからSNSやスマートフォンが身近にあり、利用し始めるのも他の世代に比べて圧倒的に早く、「デジタルネイティブ」や「スマホネイティブ」とも呼ばれます。

そんな世代が学生となり、求職者となっているため、写真やイラストなどを使うことは有効です。

 

  • 説明の時間に合わせてページ数を決める

1枚のスライドにかける時間は、1分~3分程度が一般的です。

このスライド1枚についてプレゼンする時間の長さが、あまりにも短いと聞く側はついていけませんし、長すぎてもいけません。

全体のスライドによる説明の時間が15分だとすると、スライド1枚毎の平均時間を1.5分と設定した時、トータルで必要なスライド枚数は10枚となりますね。

説明の総時間からスライドのページ数を決めましょう。

 

 

【プレゼンのコツ】

 

  • ターゲットに近い社員を登壇させる

新卒者が対象の説明会であれば、活躍している若手社員が登壇すると良いでしょう。

会社説明会だけでなく応募前職場見学などでもそうですが、「説明する社員は、役職クラスではなく、できる限り同年代の方が望ましい」という高校の就職指導担当の先生からの意見も聞かれます。

 

  • 具体例を交えて話す

表面的な話でなく、実際にあった具体的なエピソードを話すと、説得力も増して内容が伝わります。

ぜひ「説明会に参加しないと得られない」情報や体験を提供しましょう。

ここで絶対に避けるべきことは、スライドの内容をそのまま話したり、求人サイトなどに掲載している内容とまったく同じことを繰り返したりすることです。

 

実際に秋田県内で就職活動を経験し会社員として頑張っている方からのコメントにも、会社説明会に参加した時の「嫌だったこと」として、以下のことが真っ先に挙げられています。

  • パワーポイントの資料を見せられて、ずーっと担当者が話している。

 「いったいいつこの話は終わるのか…」と思いながら聞いていたそうです。

ただ、パワーポイントの資料自体はとても分かりやすかったそうです。

ダラダラと話すのではなく、もっと要点をかいつまんで説明してくれたら、だいぶ印象は違ったかも、との意見でした。

パワーポイントを使っての資料が分かりやすかった分、残念ですね。

  • 渡した資料をそのまま担当者が読み上げる。

資料は渡して「後で読んでね」だと、ありがたかったのに、との意見。

こちらも要点だけ話してくれるか、もしくはその資料に載っていないことを担当者が話してくれたらよかったのに、とのことでした。

 

  • 企業理念やビジョンは明確に伝える

会社説明会は、求職者に対して直接自社の魅力を伝えることができる、貴重な機会です。

企業理念などを、社員自らが力を入れて伝えることで、さらに説得力が増すことでしょう。

また、なぜその理念が生まれたのかなどの背景なども含めて伝えると、求職者の印象に残りやすいです。

 

  • 専門用語はできるだけ使わない

普段、社内や業界全体では当たり前のように使用している言葉でも、説明会に参加する求職者たちにとっては、よく知らないものが多くあります。

聞きなれない言葉を多用して説明をしても、求職者の理解不足になったり、本当に伝えたいことが伝わらなかったりする可能性があります。

もし専門用語を使用する場合は、説明を入れたり、図や写真で補足を加え、なるべくかみ砕いた表現を用いたりするなど、求職者の理解を促すような工夫を取りましょう。

 

  • あえてネガティブな情報も伝える

ネガティブな情報、というとドキッとする人もいるかもしれませんが、求職者が知りたいのは、その企業の「リアルなそのままの姿」です。

会社が抱える課題や改善点などを伝えることで、ネガティブな部分も見せてくれて信頼できる会社だ、という印象を持たせることができます。

 

就職応援本「COURSE秋田」の高校生アンケートの回答にも、

「その企業のいい情報だけでなく、悪い情報も知りたい」

「ブラックな面も気になります」

「ネガティブな面も知らないといけないので、記事にするのは難しいかもしれないが、そのような情報もどこかで知りたい」

などの意見が、毎年複数名から寄せられています。

 

会社の良い点だけや綺麗ごとだけにならないように、会社の欠点や未熟な点も求職者に話すようにしましょう。

大切なのは「学生にとって、リアルを知ることができて疑問を解消できる場になったかどうか」です。

求職者が「この会社に合っている」と判断する情報を与えることが大事ですが、逆に言えば「この会社には合っていない」と、求職者に判断させることも大事です。

そうでないと、入社してから「聞いていた話と違うじゃないか」というミスマッチが起こり、早期離職に繋がってしまう可能性が出てしまいます。

 

 

【会社説明会でのツール】

 

昨今の採用では、人手不足から、売り手市場が強まっています。

 

秋田労働局は、来春卒業予定の高校生に対する県内求人倍率(8月末)を4.21倍と発表しました。

県内求人数は4758人で前年同期を4.5%(203人)上回り、数値が確認できる1988年度以降、8月末現在として過去最高で、ニュースになりましたね。

人手不足で複数人の求人を出す企業が多いのに対し、秋田県内での就職を希望する生徒数が昨年よりも減少したことが理由と考えられます。

 

そんな採用活動に苦戦しているこの時代、採用ツール導入の有無や活用のタイミングは、採用の成否に大きく関わってくるため、計画的な準備が必要です。

自社の採用活動に必要な、準備すべきツールは何かを考えて、「何をしたいか」「どのようなことを解決したいか」それらを「いつ・どこで使うか」を明確にしましょう。

 

ツールを使用したい時にしっかり準備が整っているように、どのツールも希望納期から逆算して、準備をすることも大事です。

 

 

  • 採用パンフレット

インターンシップや会社説明会、学校訪問などで配布するこの採用パンフレットは、写真と文字を使って会社の全体像や職場内の様子を伝えることができます。

紙媒体なので、配布した求職者や学校の先生の手元に残り、繰り返し内容を確認することがでるため、リマインド効果も期待できます。

高卒採用では、求人票提出解禁・学校訪問の始まる7月から必要になります。

大卒採用では、6月からの夏季インターンシップ、1月からの冬季インターンシップの時に準備できているといいですね。

 

  • 採用サイト

Webサイトは紙媒体とは違い、ページ数に制限なく情報を掲載することが可能です。

求職者の興味を引くだけでなく、自社に対する理解度を上げ、更には自分が働いている姿をより具体的にイメージさせる作りが可能になります。

採用広報活動などに利用でき、時期を問わず、年間を通して活用できるツールです。

ただ、このWebサイトは求職者に見てもらってこそ意味のあるものになるので、Webサイトの制作と同時に、アクセス数をあげるためのSEO対策の準備もした方が良いでしょう。

 

  • ブース装飾

合同企業説明会などで、のぼりやタペストリーなどで企業ブースを彩り、会場内で自社の存在感を高めて求職者にアピールします。

自社のブランドイメージの形成や安定感・安心感を演出することができます。

また、配布物などと違い、一度作ってしまえばいつでも何度でも活用することができます。

 

  • 採用動画

採用動画は、会社説明会で流したり、採用サイトに掲載したり、採用PRの一環としてSNSYouTubeなどの動画配信プラットフォームで配信したりと、採用広報活動などで使用される、訴求力の高いツールです。

学生を始め、多くの人にとってとても身近な存在であると同時に、会社に対して興味を持つ大きなきっかけを作ることができます。

社内の雰囲気が伝わりやすい、社員の顔が見える親しみやすい構成で作ると良いですね。

 

  • 会社説明スライド

そして今回詳しく説明した、会社説明スライドですが、多くの人に視覚的に自社の魅力を伝えることに長けています。

会社説明会、インターンシップなどで使用し、ポジティブな印象を与えることができ、自社をアピールするイベントでは欠かせないツールとなっています。

ただ、スライドの内容や作りによっては、上手く聞き手に情報が伝わらなかったり、逆に悪い印象を与えてしまう可能性もあります。

担当者のプレゼンと併せるときに、前述の「プレゼンのコツ」をしっかり確認して作成しましょう。

大卒採用では、冬季インターンシップや3月解禁の説明会に間に合うように準備を進めましょう。

 

 

【まとめ】

いかがでしたか。

せっかくの会社説明スライドですので、しっかりと求職者に伝えたいメッセージが届くように、作成するときは注意点やポイントをきちんと確認することが大切です。

質の良いスライドとプレゼンで、多くの求職者を惹きつける効果的なアピールをできるようにしましょう。

 

 

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