【はじめに】

 

採用の中で使われる「ペルソナ」という言葉を知っていますか?

ターゲットと同じ意味だと思われがちですが、実は違います。

この記事では、「ペルソナ」の意味や「ターゲット」との違い、ペルソナを設計するメリットや設計の仕方についてわかりやすく解説します。

 

 

【採用におけるペルソナとは?】

 

そもそも「ペルソナ」とはサービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念のことです。

では採用におけるペルソナとは、どういうものでしょうか?

採用活動におけるペルソナとは、「自社が採用したい理想の人物像」のことを指します。

 

ペルソナと似た言葉として「ターゲット」というものがありますが、「ターゲット」はある程度の幅を持たせて設定します。

 

これが、「ペルソナ」と「ターゲット」との大きな違いです。

自社が求める人物像の設定を、どれだけ深く、細かくするかが違うのです。

 

「ターゲット」よりも「ペルソナ」の方が、より深く、リアルに詳細に人物像を設定します。

実際にその人物が実在しているかのように、例えば、性別や年齢、家族構成、居住地、学校や前職での経験、役職、趣味、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。

 

★ターゲットの例

・性別…女性

・年代…3040

・居住地…●●市在住

・休みの日に友達とカフェに行くのが好き

 

★ペルソナの例

・性別…女性

・年齢…34

・家族構成…夫婦と4歳の子どもの3

・居住地…●●市在住。2LDKの賃貸マンション。

・学校や前職での経験…市内の会社で事務職をしていたが、子育てのために一度離職し、現在は専業ママ。

・趣味…休みの日にカフェで友だちとゆっくり話をすること。

・ライフスタイル…今は専業ママを楽しんでいるが、今後、子どもが小学校に入るころにはまた仕事に就きたいと思っている。

 

 

【ペルソナを設計するメリット】

 

では、なぜペルソナを設計する必要があるのでしょうか。

ここで、細かい人物像を設計するメリットについて、解説します。

 

  • 自社に合う人材・欲しい人物像を採用できる

ペルソナをしっかりと設定していれば、求人票を見た応募者にも具体的なイメージが湧きます。ペルソナに合わせた自社の魅力を伝えれば、応募効果も高くなります。

 

  • 社内で自社に欲しい人材のイメージを共有できる

採用活動は、社内においてさまざまな部署の方が関わるものです。ペルソナをしっかりと設計しておき、「こういった人材を採用する」と明確にしておくことで、採用においての他部署間でのコミュニケーションミスがなく、スムーズに採用活動を行うことが可能となり、業務効率もアップします。

 

  • 選考途中の離脱や早期離職・定着率の低下防止に繋がる

 企業側は、入社後のミッションを求職者に明確に伝えることができるようになります。一方、求職者側は、入社後の働き方や具体的な仕事内容をイメージすることができ、入社後の不安を軽減することができるため、選考途中の離脱という考えからは遠のきます。

 

 

【ペルソナの設計の仕方】

 

ペルソナの設計の仕方は、次の流れで行います。

 

  • 経営者や現場社員に聞き取りをし、必要な人材を定義

まず初めに、経営者や各部署の現場から求める人材について聞き取りを行い、人材の要件として考えられる項目を思いつく限り書き出していきます。

その時に書き出した項目に優先順位をつけておき、自社が求める人材のペルソナを定義していきましょう。

 

  • 採用目的を明確にする

次に、「なぜ人材が必要なのか」という採用目的を明確にします。

例えば、社員が退職してしまったために起こる「欠員の補充」が採用目的であるならば、「退職した人と同じ能力を持つ人材を採用する方法」と、「新しい人材に一から仕事を教えて育て、スキルアップさせる方法」があると思います。

前者を選んで採用したいのであれば、採用条件に「経験者」「●●の有資格者」などが含まれてくるでしょう。

 

  • イメージする人物像の条件を書き出し

そして、イメージする人物像の条件を全て書き出してみます。ここで前述したように、よりリアルに人物像をイメージします。

まるでその人物が実在しているかのように、例えば、性別や年齢、家族構成、居住地、学校や前職での経験、役職、趣味、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していくのがポイントです。

 

  • 仮に設計したペルソナについて、現場のイメージとすり合わせ

仮のペルソナを設定することはできましたか?

できたら現場に確認してもらい、求める人物像の認識にズレがないか確認しましょう。

せっかくペルソナを設計しても、各部署の現場の考えと違っていたら意味がありません。

経営者や各部署の現場の意見を取り入れながら、「必須の条件」「できればあると望ましい条件」「不要な条件」のように優先順位を分けていきましょう。

 

  • 現状の求人市場に合わせて、要件を絞り込み

経営層や現場とすり合わせを行った後は、現状の採用市場に合わせて要件を絞り込んでいきます。

先程設計した仮のペルソナが、現状の採用市場にかみ合っていないものだと、求人に対しての応募は見込めません。

現状の採用市場を踏まえた上で、仮のペルソナの見直しを行います。

 

  • 設計したペルソナに沿って求人原稿を作成し、募集と選考を進める

設定したペルソナに沿った要件と求職者へのメッセージを求人内容に記して、ペルソナに近い人材が応募してくれるようにアピールしましょう。

ペルソナを設定することで面接での選考基準が明確になります。

また、ペルソナの要件に近いかどうかを確認するためのチェック項目を事前に決めておくなどすると、面接官による評価のズレは更に発生しにくくなります。

 

  • 募集の条件や求人市場に合わせて、設計したペルソナの見直しや修正を随時行う

一度設計したペルソナは、不変のものではありません。

その年によって必要な人材や人材の要件、また求人市場の状況も変わってきます。

状況に合わせて、随時ペルソナの見直しや修正を行っていきましょう。

 

 

【まとめ】

いかがでしたか。

この記事では、ペルソナの意味や「ターゲット」との違いや、ペルソナを設計することについてのメリットや設計の仕方についてわかりやすく解説しました。

入社後のミスマッチを防ぐため、ひいては早期離職を防ぐためには、自社が求める人材像、つまり「ペルソナ」をしっかりと設定することが重要なのです。

 

御社の求める人材像について、そこまでしっかりと設定していなかった、という企業様は、採用活動における課題解決の一つの策として「ペルソナ」の設定を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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