【はじめに】

皆さんの会社では、社員研修はありますか?

入社直後は新人研修を行った、という方もたくさんいるでしょう。

また、社内での役職が変わってきたタイミングでリーダーとしての研修を受けたことのある方も、もちろんいるかもしれません。

 

今、高卒採用で生徒たちを企業へと送り出す時に、高校の先生方が一番と言っていいほど注目しているのが、この「研修制度・人材育成」です。

 

当たり前ですが、高卒採用で採用した新入社員たちは、即戦力になるというのは難しいです。

 

そのため、入社後に研修や先輩社員たちとの関係などを通して一人前の社会人になるまで、しっかりとその会社で育ててもらえるのか、そこが企業を選ぶときの判断材料の大きなカギになっているのです。

 

 

【社員研修の必要性】

 

 

ところで、社員研修は必要でしょうか。

新入社員が受ける新人研修の目的や必要性は、分かりきっていますね。

しかし、入社して何年もたち、それなりに社内で実績も上げている方ならば、自分が研修を受けることに対して疑問を持つ人もいるかもしれません。

 

例えば、会社内で仕事の結果を日々求められている中、「来月、研修に行くように」なんて言われると、

「そんな研修よりも、仕事でやることがたくさんあるのに」

「今更研修なんてしなくても、仕事できる」

「必要ならば自分で勉強するし…」

なんて、思ったりしていませんか?

 

特に最近は、書籍だけでなく動画などでも手軽に自己学習ができますよね。

でも会社の育成担当者は、「個人」だけではなく「会社として」のスキル習得を目指しているのです。

 

 

【新人研修から管理職研修まで】

イメージが湧きやすいように、一人の社員が企業に入社が決まったところから時系列で研修制度を見ていきましょう。

 

 

① 入社前研修

無事に企業から内定をもらい、ほっとひと一安心したタイミングでしょうか。ですが、内定承諾から実際の入社までは短くても数か月、長ければ半年以上もの時間があります。

この期間、学生はもちろん本業である学業がありますが、入社への不安やモチベーションの低下なども生まれてくるのがこの時期です。

 

入社前研修でその不安を減らし、同期との関係を築き、モチベーションの低下を防ぎたいものです。

「見学」「勉強会」「アルバイト」「e-ラーニング」などの種類があります。

内容はビジネスマナーや業種の知識などを中心に学ぶことが多いようです。

 

② 新人研修

新人研修は、入社してすぐの【前半】とそれから数か月後の【後半】を行う二部制を取る企業も多いようです。期間は1カ月から1か月半かけて業務の流れを把握し、仕事ができるための下準備の期間とする企業もあります。

 

【前半(入社直後)】では、入社前研修で学んだことの振り返りの他、入社後に必要な新たな知識や基本マナーを学びます。例えば電話応対の仕方など、初歩的なところからです。

【後半(例えば7月頃)】では、前半の振り返りと、知識を得てからそれをどう実践で活かしたかなどを確認します。仕事も少しずつ慣れてきて落ち着いてきた頃に、再度確認し、自己に定着させることを狙う目的があります。

 

基礎的な内容ではありますが、ある程度慣れてきて周りも見えてきたタイミングで、4月の入社当時と同じ内容を研修し、さらに今後どう活かしていくのかを学ぶのです。そうすることで2年目、3年目への目標を立てやすくなります。実際に仕事をし始めて、課題や悩みが出てくる頃でもあるので、その不安を解消する狙いもあります。

 

③ OJT(配属後)

OJTとは「On the Job Training(オンザジョブトレーニング)」の略で、実際の仕事を通じて技術や知識などを身に着けさせる企業内の教育方法です。

 

秋田県内のある企業では、半年ほどの期間をかけてこのOJTを行います。ここから仕事がスタートします。実際に仕事を実践してみて、一つ一つ先輩社員にチェックしてもらいつつアドバイスをもらい、自分が新人研修で学んだことを振り返りながら間違いの無いように仕事を進めるのです。

この先輩社員は、入社して23年目の若手社員が担当し、新人一人につき一人の先輩社員が付くことが理想とされます。

このOJTの期間では、「新人は一人前に仕事ができる訳ではない」ことを前提としており、この認識が新人にも、そして周りの社員たちにも共通していることが大事だと、採用担当者は話してくれました。

 

「新人研修が終わったんだから、やらせればできるはずだ」by先輩社員

「新人研修が終わったんだから、私は一人前に仕事ができるはず!」by新人

このような認識のずれが片方に、もしくは両方にあった場合、お互いにかわいそうな結果が待っている、とも。

 

④ 中堅

中堅と言われるような年齢や年数になると、求められる能力があります。例えばリーダーシップ、チームの団結力と牽引力、物事を様々な角度から認識する力などがあげられます。

この研修も複数日で行われることが多いです。

例えば研修日から数か月の時間を空けて研修を行います。

このように期間を空けて研修を行う理由には前半の内容の振り返りもあります。ですが、それよりも前半で研修した内容を後半日までに実践できているか、もしくは研修の前半を終えて考えることや実践してみての新たな課題の再発見があったか、などを確認する意味が大きいです。

このように研修で更に研ぎ澄まされたリーダー性や物事を見る力などを、実際の仕事場で活かしていくのです。

 

⑤ 管理職

管理職は、管理者としてマネジメントすべき項目の理解を深め、成果を出す管理職の手法の習得などを目的とし、マネジメント研修が多く聞かれますが、他にもたくさんあります。

 

種類としてはマネジメント研修、リスクマネジメント研修(危機管理)、苦情対応研修、コンプライアンス研修、ハラスメント防止研修、チームの目標管理、リーダーシップ研修などが主にあげられます。

 

秋田県内企業の採用担当者が話すには、中堅と言われるようになった時から少しずつこの研修を進めていって、全クリアすると管理職への権利が生まれるなどとしたほうが理想的だと話します。そして、管理職になったら、同じテーマで、より詳細な内容の研修を受けるべきです、と話してくださいました。

 

 

【まとめ】

今回は、新人から管理職まで全社員でスキルアップするための考え方や研修の種類について紹介しました。

社員研修、人材育成の計画をしっかりと立てて実行することは、社内全体のスキルアップになることはもちろん、求職者が企業を選ぶときの判断材料の大きなカギになっていることがお分かりになったと思います。

ぜひ社員の入社から管理職までの全体を通しての研修制度を計画し、全社員でのスキル向上を目指しましょう。