【はじめに】

OJTは「On The Job Training(オンザジョブトレーニング)」の略です。第一次世界大戦時のアメリカで誕生した人材育成方法で、現在、新入社員や部下、後輩を育成する目的で多くの日本企業で実施されています。

 

でも、難しそうなイメージ、持っていませんか?

 

ここでは、OJTの具体的な進め方やメリット・デメリット、また、OJTに向いている人や向いていない人、向いている業務や向いていない業務についても、わかりやすく解説します。

 

 

OJTとは】

OJTとは、職場で実際の業務を通して。必要な知識やスキルを学ぶ研修方法です。OJTでは、上司や先輩が教育係となって、現場で通常業務を進めながら指導に当たるのが一般的です。実務的な知識が身に付くので、OJT終了後には即戦力になることが期待できます。

 

※厚生労働省 「人材育成の現状と課題」より

 

厚生労働省の「人事育成の現状と課題」の調査(平成30年度調査)によると、調査対象の企業の約73.6%が正社員に、約76.8%が正社員以外に対して「『OJT』を重視する」「又は重視するに近い」と答えています。

 

 

OJTの基本的な手順は「4段階職業指導法」とされています。

 

4段階職業指導法

Show(やってみせる)

Tell(説明・解説する)

Do(やらせてみる)

Check(評価・追加指導する)

 

指導者が実際に見本を見せて、これを口答の説明で補足します。

この①Showと②Tellを組み合わせることで仕事の全体像を理解することができます。

次に③Doで、指導者が横に付き添いながら実際にやらせてみます。

そして④Checkで評価を行い、できていないことを追加で指導したり、次のOJT計画を考えたりしていきます。

 

ここでの注意点は、OJTに向いている業務とそうでない業務がある、ということです。

OJTに向いている業務とは、ある程度業務の内容が決まっていて、イレギュラーな対応が少ないものを指します。

逆にOJTに向いていない業務とは、プロジェクトごとに仕事の進め方が変わったり、その場の状況で対応を変えたりしなければならない業務です。

 

この向き不向きも考えて、OJTの計画を立ててみましょう。

 

 

【具体的な進め方】

 

 

では、具体的にどのようにして進めていけば良いのでしょうか。

 

①目標を設定

OJT後にどのような社員に育って欲しいのかを明確にするために、企業や部門ごとに求める人材像を分析し、目標を設定します。

 

②実施における計画書を作成

OJT実施についての必要な期間や進めるペースなど、具体的な実施計画を作成します。

 

③トレーナー(指導者)の選出

現場の各部門と話し合い、トレーナーとしての能力を有している人物を選定します。入社3年から5年目程度の社員の中から選ぶのがオススメです。

トレーナー(指導者)に向いている人とは、「主体性がある」「リフレクションスキルがある」「担当業務を卒なくこなせる」「ほめ方が上手」「説明が上手」などの点が挙げられます。

逆に、否定的なコミュニケーションが多い人や目的や意味を考えていない人、相手の考えを聞かない人や自分の仕事を優先する人は避けた方が良いでしょう。

 

④トレーナー(指導者)の教育と目標の確認

OJT実施の目標と具体的な運用方法、OJTを行う上での注意事項などを確認し合います。

 

⑤目標の達成目安を作成

目標達成の進捗状況を測るために目安になるもの(スキル一覧や今後習得してほしい工程表など)を作成しましょう。

 

⑥実施

準備が整ったら、OJTを開始します。

 

⑦中間面談と計画の変更・修正

13ヶ月に一回程度の割合で面談を行いましょう。進捗状況や、行き詰ったり困ったりしていることはないかを丁寧に確認します。これが計画の変更や修正などに役立ちます。

 

⑧計画書における目標の達成度を計測

⑤で作成したスキル一覧や工程表などを集計して、目標の達成度を確認します。

 

⑨フィードバック

確認した目標の達成度やその他のOJTに関する分析事項などを各部門にフィードバックしましょう。

 

OJTに必要とされる期間は約1年間と言われています。例えば新卒の場合、おおむね入社時の4月から3月末までの一年間をOJT期間として設定する企業が多いようですね。

 

 

OJTのメリット】

 

 

ではここで、OJTのメリットを見ていきましょう。

 

企業側のメリット

・外部講師を招くことができずとも、社員が教えるためコストを抑えられる。

・トレーニングを通して社内コミュニケーションを円滑にできる。

・効率的・効果的に教育できる。

・人が人を育てるような組織の風土づくりにも役立つ。

 

教えられる側のメリット

・実務的な知識が身に付くので、OJT終了後には即戦力になることが期待できる。

・わからないことはすぐ聞くことができる。

 

トレーナー(指導者)のメリット

・人を教える立場になることからくるスキルアップ。

OJTが効果的に実施されれば、周囲からの信頼を得る事にも繋がる。

 

 

OJTのデメリット】

 

 

では、OJTのデメリットを見てみましょう。

 

OJT指導者によって教育効果がばらつく。

OJTは業務を通じた研修であるので、知識や能力を幅広く学ぶことはできない。

・教える社員に時間的にも精神的にも負担がかかる。

・受け手である新入社員のストレス耐性の低さや受け身すぎる姿勢によっては効果が出にくい。

 

 

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。この記事ではOJTの具体的な進め方やメリット・デメリット、また、OJTに向いている人や向いていない人、向いている業務や向いていない業務についても、わかりやすく解説しました。

 

教育対象が新入社員であるならば、社会人としての経験が豊富な指導者側がどのくらい新入社員に歩み寄ることができるのかが重要です。

また、指導者となる社員には時間的にも精神的にも負担が大きくかかります。教育担当の部署は現場任せにせず、定期的にチェックやフォローをしましょう。

 

 

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