【はじめに】
現在、採用市場では人手不足が深刻化し、特に即戦力となる優秀な人材層の獲得競争が激化してます。
そのような採用難の時代に注目されているのが「採用ブランディング」です。
このコラムでは、自社の魅力を他社と差別化し、自社のブランディングを行っていく採用ブランディングの目的や設計方法、メリットなどをわかりやすく解説していきます。
【採用ブランディングとは】
そもそも採用ブランディングとは何でしょうか。
採用ブランディングとは、採用活動において自社をブランド化し、採用力を強化する戦略のことです。
より具体的に言うと、自社にとって必要な人材に入社してもらい、長期的に活躍してもらい続けるために、他社との区別化・差別化を図ることを示します。
近年、採用市場では少子高齢化により人手不足が深刻化し、企業が選ぶ時代から選ばれる時代になってきました。
つまり、就職・転職の市場が売り手市場になってきたのです。
特に、即戦力となる優秀な人材層の獲得競争が激しくなっています。
このような背景を受けて、他の会社にはない魅力があることを求職者に伝え、自社の差別化をはかろうとする「採用ブランディング」が、盛んに行われるようになってきました。
【期待できるメリット】
採用ブランディングを行うことで期待できるメリットは以下の通りです。
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企業の認知度向上
採用ブランディングを行うことにより、これまで接点のなかった人材や、就職活動以外でも自社の情報や魅力を伝えるチャンスを増やすことができます。
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競合他社との差別化
他の企業と比べられたときに、見劣りすると、求職者にはなかなか選んでもらえません。
採用ブランディングにおける自社の魅力ある情報発信により、同業他社との差別化も図ることができ、採用競争において優位に立つこともできます。
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応募者数の増加
採用ブランディング活動において「自社の理念やビジョンなどについて」や「事業内容」、「求める人材像」などを明確に発信することにより、発信内容に共感した、同じような価値観を持った応募者が集まりやすくなります。
また、自社で働く価値や社内の様子などを伝えることで、求職者は、入社後の自分の働くイメージがしやすくなり、応募者の増加につなげることができます。
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選考辞退率・内定辞退率、早期離職の減少
「せっかく応募者を内定までこぎつけたのに、入社の前に選考辞退・内定辞退をされてしまって、今までかけたコストと苦労が水の泡…」という経験は、採用担当者であれば、一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
採用ブランディングを行うことで、これまでよりも自社に対しての気持ちが強い応募者が多く集まってくるので、選考辞退や内定辞退をする求職者の率が下がると考えられます。
よくある、入社後に「思っていた仕事と違っていた」「こういう会社だと思ってなかった」というミスマッチを未然に防ぐことができ、結果的に早期離職の抑制に繋がります。
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採用コストの抑制
自社の求める人材にマッチした採用が行えるため、入社後のギャップが生まれにくく、自社に適したスキル・特性を持った、理想的な母集団の形成が期待できます。
また、求人広告等に必要以上に費用をかけずに、SNSの拡散性を上手に利用することで、結果的に採用コストが下がる可能性があります。
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会社への愛着を高める
企業の目標や方針などについて全社的に共有されて発信していくため、自社への理解が深まります。
そうすると、企業の一員としての自覚や意識が芽生え、既存社員にも「入社してよかった」「自分も活躍できそう」など自信もつきやすくなり、よい影響を与えます。
採用担当者が発信する人材の定着や活躍などの情報のブレが小さくなり、自信を持って自社について語れるようになるでしょう。
【取り組む際の注意点】
ただ、採用ブランディングに取り組む際は、以下のことに注意しましょう。
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全社規模で取り組むことが必要となる
採用ブランディング活動において魅力的な情報を発信しても、その内容と実際の現場にギャップがあるとうまく機能しません。
経営層も含めて全社的に、認識と価値観を統一して実践していくことが必要です。
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効果が出るまでに時間を要する
企業の認知度の向上やブランドイメージなどは、短期間では浸透しません。
発信した情報がしっかりとターゲットに届き、自社ブランディングを確立できるまで、繰り返し磨き上げながら、根気強く情報発信を続ける必要があります。
短期間で結果を出そうと考えるのではなく、長期的な計画を立てて取り組むことが重要です。
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継続した長期的な取り組みが求められる
採用ブランディングは「作ったら終わり」といったものではなく、継続的な運用が求められます。
また、情報の更新が止まってしまうと、受け手に企業に対してのネガティブな発想を抱かせ、良い結果に繋がりません。
最新情報を、短い間隔で更新することが大切です。
【運用する手順と方法】
では、具体的にはどのようにして採用ブランディングの設計や運用をしていけばよいのでしょう。
ステップ① 採用ブランディングの実施目的を明確化
採用ブランディングを行うことで、認知度の向上や競合他社との差別化、採用コストの削減などさまざまなメリットを期待できます。
ですが、実施する目的がきちんと定まっていないと、失敗やリスクにつながる恐れがあります。
そのため、まずは「自分たちが採用ブランディングをする目的」を明確にしましょう。
ステップ② 自社についての分析
目的をしっかりと明確にしたら、自社の現状を把握しましょう。
具体的には
・業界における自社の立ち位置
・自社の商品やサービスにおける強み
・自社の魅力
・採用活動の状況
などを、把握しておきましょう。
また、3C分析によって「顧客(Customer)」「競争者・競合他社(Competitor)」「自社(Company)」の三つの視点からビジネス環境を分析することができます。
自社をさまざまな視点で分析し、強みや弱みを客観的に把握しましょう。
ステップ③ ターゲット人材の明確化
自社の現状を把握したら、次は採用ペルソナ「自社が採用したい人物像」を設定します。
《ペルソナを設定する際に必要な項目》
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新卒採用・中途採用共通
・年齢
・性別
・学歴
・趣味
- 新卒採用
・部活動/アルバイト
・企業選びでもっとも重視すること
・学生時代に一番力を入れたこと
・長所/短所
- 中途採用
・現在の仕事内容/経歴
・年収
・転職する上でもっとも重視すること
・保有スキル
その他にも項目を増やしても問題ありませんが、あまり増やし過ぎると、対象となる求職者の母数が大幅に減ってしまうので、注意が必要です。
ステップ④ 発信する情報の整理
設定した求める人物像などを参考にしながら、採用ブランディングで発信する情報の内容を決めていきます。
ステップ⑤ 発信方法の厳選
主な手法には、以下のものが挙げられます。
《採用ブランディングに用いる発信手段》
・自社のホームページ(採用ページ)
・SNS(YouTube、X、Instagram、TikTokなど)
・就職ナビサイト
・個別説明会
・合同説明会
・オンライン個別説明会
・オンライン合同説明会
・求職者向けセミナー
・テレビコマーシャル
・新聞
・インターンシップ
など
種類が豊富にあり、特にSNSは現代のマーケティングツールの中でも拡散力が最も高いです。
一つずつ効果を確かめながら、自社にあった発信手段を見つけていきましょう。
ステップ⑥ 運用の継続
前述しましたが、採用ブランディングは「作ったら終わり」といったものではなく、継続的な運用が求められます。
最新情報を短い間隔で更新し、運用していきましょう。
【まとめ】
いかがでしたか。
この記事では、採用ブランディングの目的や設計方法、メリットなどについて紹介しました。
採用ブランディングは、近年の人手不足の状況でも求職者に選ばれるために他社との差別化をはかる上で効果的です。
また、企業にとっては「事業計画に関わる求める人材が獲得できる」、求職者にとっては「自分自身とマッチした企業への選考ができる」と、両社にとってメリットがあります。
採用ブランディングをぜひ効果的に実施し、一人でも多くの求職者に自社の魅力をアピールできるようにしましょう。
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も、ご参照ください。
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