[はじめに]
近年の人手不足で大卒採用の競争が激化しています。ですが、大学生の新卒採用活動はいつから準備を始めればいいのでしょうか。
企業の動きだけでなく、大学生の生活も含めて改めて確認をしてみましょう。
自社の活動の課題解決のヒントが見つかるかもしれません。
[秋田県内就職体験リポート]
学生の動きや、大手企業・同業他社などの動きを把握していますか?
秋田県内の「元学生・元就活生」である2021年卒Hさんの就職活動当時のスケジュールを、一つの例として載せてみました。Hさんは今現在、今年(2022年)の春に入社2年目を迎え、秋田県内の企業で活躍しています。
[Hさんの活動]
Hさん
大学3年生(2020年)の1月頃に、初めて大学主催の会社説明会を受けて、そこから就職活動に向けて業種や企業などを調べ始めました。これが本当に初めての会社説明会でした。
サポートナビ
この時が就職活動への第一歩だったんですね?
Hさん
そうなんですよ。でもその時は本当に就職活動初心者で、不安がいっぱいで…。でも、大学のキャリアセンターの担当者が就職活動を伴走して無事に内定を勝ち取るまでサポートをしてくれて心強かったです。
サポートナビ
なるほど。大学のキャリアセンターの方が就職活動の伴走をしてくれたんですね?
Hさん
そうなんです。履歴書の添削や、面接練習もしてくれました。
サポートナビ
それは本当に心強いですね。
勉強やアルバイトなどに加えて就職活動も、となると、すごく忙しかったのではないですか?
Hさん
ずっと4年間アルバイトはしていたんですが、新型コロナウイルスの影響で、アルバイトもほとんど入ることができない時期があって…。
本来であればアルバイトと就職活動の時期が重なってしまって大変になる恐れもあったんですが、コロナの影響で幸か不幸か、アルバイトと就職活動の両立が大変…ということはなかったです。
サポートナビ
そうだったんですね。それはちょっと複雑な気持ちになりますね。
チャートを見ると入社前から研修をずっと受けていたようですが、どのような内容を行ったのですか?
Hさん
内定式の後から、月に一回オンラインで入社するまでの半年間、ビジネスマナーや業種の知識などを中心に勉強しました。入社後も一か月間研修を行いました。電話応対の仕方などの初歩的なところからたくさん学びました。
サポートナビ
研修でしっかりとビジネスの基本を学んだことが、今の仕事に活かされているのですね。
これからも活躍を期待しています!
ありがとうございました!
[新卒採用スケジュールの事前準備]
ところで、例年どんどん早まっていく学生の就職活動ですが、学生が学業に専念できるように、と就活スケジュールが経団連主導から政府主導へと変わったことは知っていますか?
2020年卒までの採用スケジュールは日本経済団体連合会(経団連)が定めた就活ルールに沿って決められていました。しかし「学生が学業に専念できるように」と、2021年卒からは「2023年春に入社する大学生の就職活動について、面接を2022年の6月に解禁する現行ルールの維持」という政府主導で就活ルールを定めることが決まりました。ただ、急に制度が変わると混乱が起きる心配もあるため、しばらくは現状の就活ルールが適用されるようです。
この政府のスケジュールの通りであれば、4月現在の段階では、大学生はまだ企業の面接を行っていないはず、なのですが…。秋田県内の企業からは、すでに学生の数が少なくなっている、という声も聞こえてきます。
2023年春に卒業・入社する大学生を採用するには、今の時期から採用活動を始めるならば、どのように進めれば良いでしょうか?
企業の動きや準備しておくべきことについて、時期ごとに確認してみましょう。
①2021年6月~2022年2月
★インターンシップ
時期や日数、内容などをしっかりと社内で決めましょう。
詳しくは、コラム「インターンシップ、順調ですか?段取りや準備の進め方、教えます!」をご覧ください。
★求人サイトやパンフレット、採用動画などの準備
この時期に求人サイトや採用動画などを準備しておくと、求職者が企業についてインターネットで情報を得ようとするときに力が発揮されます。また、会社説明会などを行う時にも、パンフレットや採用動画があると便利ですね。
②2021年12月~2022年2月
★採用スケジュールの決定
前回の採用活動の課題を踏まえつつ、今期の採用スケジュールを決めます。それぞれの担当者や、社内スケジュール、会場を押えるなど、細かい調整が必要です。
★会社説明会
企業独自での会社説明会の他、県やハローワークなどが主催の合同企業説明会などに参加します。これらは自社をアピールできる絶好の機会なので、きちんと対策を立てて参加しましょう。
③2022年2月~
★選考(試験・面接)
1次試験、2次試験、3次試験…。面接やグループディスカッション、適性検査など様々な試験パターンがありますね。学生も大学生としての学業の他、サークルやゼミ、アルバイトなど大忙しです。そんな中、自分の就職活動スケジュールを管理して、複数の企業に対して活動をします。「いつごろ選考結果が出るのか」などの採用スケジュールをきちんと知らせておくと学生は安心ですね。
④2022年2月~
★内定出し
試験をパスした学生に内定通知書を郵送します。その際に「内定承諾書」を一緒に送り、学生が「この会社に入社したい」と意志が固まった時に承諾書を返送してもらいます。
この内定承諾書に法的拘束力はありませんが、この承諾書を企業に提出した後の内定辞退防止の一定の効果はあるようです。
⑤2022年6月~9月
★内定者へのフォロー
内定を出した学生へのフォローをしっかりと行いましょう。ここでフォローをしっかりと行い、学生の不安や疑問などを解消することで、内定辞退防止に繋がります。
⑥2022年10月~
★内定式
内定式は卒業・修了年度の10月1日以降となっています。
★研修
Hさんの例を見ると、内定式後に6か月にわたり研修が組まれていますね。この時に、社会人としての心構えの他、報連相、ビジネスマナーなどを学びます。業種の大まかな説明や業界用語などもこの時に学びます。
⑦2023年4月
★入社式
晴れて、入社式を迎えます。この後は、新人研修を行う等をして一人前になるよう育てていきます。しっかりと入社後の研修や3年後・5年後などのステップアップモデルを示すことで、早期離職防止にも繋がります。
[まとめ]
ざっくりと7つの時期に分けて採用活動の流れを確認してみましたが、いかがだったでしょうか。様々な時期のイベントや活動で学生を惹きつけるだけでなく、適時にフォローを入れることで不安や疑問などを解消させることが大事です。学生の企業への理解度や志望度を高めるようにしましょう。