2022/04/19

 

 

[はじめに] 

採用担当者の仕事内容の一つに、会社説明会を開催し、求職者に自社のことを説明する、というものがあります。ただ、それが実際に応募や採用につながらないと悩んでいる採用担当者も多いのではないでしょうか?当日説明する内容や説明の仕方など、しっかりした準備を事前に行う必要があります。行き当たりばったりで行っているのでは、効果が少ないばかりか逆効果になりかねません。

 

 

[会社説明会で求職者が知りたいこととは]

 

 

今更ですが、求職者が会社説明会で知りたいことは何でしょうか?

 

当たり前ですが、企業側は求職者をよく見ているとは思います。しかし逆に、求職者も企業側をとてもよく見ています。その立場はあくまでも対等なものです。求職者は「会社説明会に来たけれど、数十分かけて話を聞く価値がこの会社にあるのか、どうなのか」という気持ちも持っているでしょう。企業側が求職者を選んでいるように、求職者も企業側を選んでいるのです。

 

ただ、求職者に会社の良い点だけや綺麗ごとだけにならないように、会社の欠点や未熟な点も話すようにしましょう。求職者が「この会社に合っている」と判断する情報を与えることが大事ですが、逆に言えば「この会社には合っていない」と、求職者に判断させることも大事なことです。なぜなら入社してから「聞いていた話と違うじゃないか」というミスマッチが起こり得るのを防ぐためです。

 

 

今は秋田県内で社会人として活躍している「元学生、元就活生」から話を聞きました!

会社説明会に参加したとき、「嫌だったこと」についてです。

 

①パワーポイントの資料を見せられて、ずーっと担当者が話している。

 「いったいいつこの話は終わるのか…」と思いながら聞いていたそうです。ただ、パワーポイントの資料自体はとても分かりやすかったそうです。ダラダラと話すのではなく、もっと要点をかいつまんで説明してくれたら、だいぶ印象は違ったかも、との意見でした。パワーポイントを使っての資料が分かりやすかった分、残念ですね。

 

②渡した資料をそのまま担当者が読み上げる。

 資料は渡して「後で読んでね」だと、ありがたかったのに、との意見。こちらも要点だけ話してくれるか、もしくはその資料に載っていないことを担当者が話してくれたらよかった、とのことでした。

 

③労働条件についての説明があいまい

 きちんとした労働条件についての説明があいまいで、精神論や抽象的な表現での話が多かったそうです。思わず、ブラック企業なのでは…?と不安になった、と話してくれました。

 

…思い当たること、ありませんか?話し方によっては、本当に逆効果になりかねないですね。

 

 

[担当によって話すポイントは違う!]

 

 

では、会社説明会に複数人で担当した場合の、それぞれの立場によって話すべき内容がどのように違うのか、見ていきましょう。

 

①人事・採用担当者

 やはり現場の声を伝えるのは社員の役割です。実際に働いてみての魅力や働きやすさ、働き甲斐を感じたポイントなどを伝えましょう。

また、自社の行っていることがわかるもの(例えば、工業系であれば工事完成した建物や道路の写真、電子部品の現物など)があれば視覚的にわかりやすく、その完成に向けて具体的にどのように業務を行っていくのか、など細かく現場ならではの説明があるとわかりやすいですね。就職者が、自分がこの会社に入社してからのイメージが湧きやすいように説明をしてあげると、安心できます。

他には、社長が話したことに補足説明を加えるなどすると、求職者にはとても分かりやすいですし、そのやりとりで社内の雰囲気も伝わります。

 

②社長

 社長自らが会社説明会に参加される企業も多いと思います。その際、社長からは大まかな仕事内容や会社の組織説明、職種説明など会社の全体像を話されることが多いと思います。ただ残念なことに、仕事内容や会社の組織説明に始まり、福利厚生の内容など事務的な説明のみで社長の話を終えてしまっているのをよく見かけます。

しかし、それでは大変もったいないです。やはりその会社の代表の方には「自社の未来のビジョン」や「今後の自社の展望、課題、それに対しての取り組み」など、夢を語ってもらいたいものです。

 

 また、「ユースエール」や「くるみん」「えるぼし」「健康経営優良法人」など、国や地方自治体などから認定されたものがあったり、取り組みをしたりしていることをアピールするのも良いですね。

 

実際、県内の会社説明会に参加した時に認定企業であることを聞いて、その企業への志望度がより強まった、との話も聞きます。よく秋田県内の会社説明会でも、学生が座る椅子に、「●●認定企業」などと書かれたイスカバーを付けている企業を良く見かけますが、あれもとっても目立っていて、学生の目を引いています。

 

 

[まとめ]

今回は、新卒の会社説明会を行うに当たって、立場別の話すべき内容について紹介しました。

企業側が学生たちをよく見ているのと同様に、求職者である学生たちも企業をしっかりと見定めています。会社説明会で話す内容によって採用の成功と失敗が決まる、と言っても過言ではありません。採用活動の中で「会社説明会」は、企業にとっても参加して話を聞く学生にとっても、とても重要です。

求職者たちの心が離れてしまわないよう、資料などの事前準備はもちろん、当日の話す内容の分担、また、ホームページなどで調べれば分かる内容だけでなく、「この会社説明会に参加したからこそ」の情報も準備しておくと良いでしょう。