【はじめに】
近年の人手不足で大卒採用の競争が激化している影響もあり、高卒採用を実施する企業が増えています。しかしながら、高卒採用は大卒採用とは大きく異なり、細かくスケジュールやルールが決められているので、企業は高卒採用のルールを理解したうえで活動を行う必要があります。
【高卒採用の知っておくべき7つの基本ルール】
高卒採用は、求職者が未成年であることから、その他の採用よりも細かくルールが決められています。求人票も大卒や既卒を対象にしたものとは違いますし、求人票自体も一般公開されず、一年中出回っているものでもありません。選考の仕方や面接でのNG質問など、事細かにルールがあり、注意が必要です。では詳しく高卒採用の基本ルールを見ていきましょう。
①求人票、求人募集の解禁時期
高卒採用の求人票をハローワークが受付開始する日、また求人票公開日などは一律に決められており、一年中求人を出すことはできません。
②ハローワークを必ず通す
高校の紹介を受けて高卒採用を行うために、ハローワークに求人票を登録する必要があります。求人票にはハローワークの確認印が押印されていなければなりません。
③学生に直接アプローチはできない
高校生は企業との直接連絡を禁止されています。「高校生」を相手にするという性質上、高等学校を必ず通さなければならず、企業側は学生に直接アプローチすることはできません。
④一人一社制
一人一社制とは、求人票が公開されてから高校生が初回に応募できる企業は1社のみ、という制度のことです。初回の応募で内定を獲得した生徒は他の企業を応募することはできません。初回の応募で内定を得られなかった生徒は、二回目からは企業を複数応募することができます。内定獲得後の内定辞退は、原則できません。
そんな中、秋田県は47都道府県の中でも珍しく、初回応募から複数応募が可能な県になります。全国では秋田県の他、沖縄県が複数応募可能となっています。また大阪府も2022年9月から複数応募が可能となります。
ただ、秋田県の高校の先生方に話を聞くと、原則初回応募から複数応募が可能ではあっても、学校側の指導として「初回応募は1社のみ」としている高校が多いようです。
⑤書類のみでの選考はNG
高卒採用では、書類のみの選考は禁止されており、必ず適性検査や面接選考が必要です。一般的には面接や適性検査、作文、一般常識などが実施する企業が多いです。
⑥全国高等学校統一用紙を使用
企業へ提出する応募書類には、生徒本人が作成する履歴書のほか、学校が作成して校長印の押印された調査書があります。その際は全国高等学校統一用紙を使用しなければなりません。企業がオリジナルの提出書類を設けることは禁止されています。
⑦違反質問に注意
以下の項目を面接時に質問することは、就職差別につながるおそれがあります。また、応募者が自ら以下のことを話してきた場合には、趣旨を説明して話さないように指導するなどの配慮が必要です。
<本人に責任のない事項>
・本籍、出身地に関すること
・家族、保護者に関すること(職業、続柄、健康状態、地位、学歴、収入、資産等)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設等)
・生活環境、家庭環境に関すること
<本来自由であるべき事項>
・宗教、信仰に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合、学生運動などの社会運動に関すること
・購読雑誌、新聞、愛読書などに関すること
新卒一括採用の慣行の中で、新卒採用時のトラブルは、職業生活に長期的な影響を及ぼす恐れがあります。
そこで、ハローワークでは、一定の労働関係法令違反があった事業所を新卒者などに紹介することのないよう、こうした事業所の新卒求人を一定期間受け付けない(不受理)ケースがあります。
出典:厚生労働省
詳しくは管轄のハローワークへお問合せください。
【高卒採用のスケジュール】
※赤字の箇所は、高卒採用ルール上、必ず行う必要がある活動です。
※各企業の状況によりスケジュールは前後いたします。
本格的な準備は5月~6月からスタートします。選考時期は9月中旬からです。
【高卒採用のポイント】
さて、高校生の皆さんは、どのようにして企業の情報を得ているのでしょうか。
ここに、就職応援本「COURSE秋田2021」を県内の高校2年生全員に配布した際に、読者の高校生の皆さんにご協力いただいたアンケート結果があります。
秋田県内高校2年生の5,041名より回答を頂きました。
【Q 企業の情報を、求人票以外ではどのように調べていますか?(複数回答OK)】
※COURSE(コース)秋田2021読者アンケート結果より
やはり高校生たちの情報源としては「企業のホームページや採用サイト」が一番多いですね。
今現在の青少年のインターネット使用状況を見てみると、
○ インターネットを利⽤すると回答した⻘少年のうち、⼦供専⽤の機器を利⽤している割合が⾼いのは、スマートフォン(89.4%)と携帯電話 (73.9%)。
○ スマートフォンでは、学校種が上がると⼦供専⽤の割合が⾼くなり、⼩学⽣(10歳以上)の63.3%、中学⽣の91.1%、⾼校⽣の99.3%が⼦供専⽤と回答。
※「令和3年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査 調査結果」より
つまり、高校生のほぼ100%が自分専用のスマートフォンを所持し、インターネットで情報を得ているのです。そのような現状であれば、このアンケートの「企業のホームページや採用サイト」を高校生たちが一番の情報源として活用しているという結果にも、納得です。
また、「親・家族に相談」が2位の21%となっています。こちらは、家族との関係が良好であり、大事なことを相談できるという、しっかりとした信頼関係が家族間に存在している、という証しでもあると思います。
秋田県内高等学校の就職指導担当の先生からも、企業のホームページなどは高校生本人だけでなく保護者の方も頻繁に閲覧して、気になる企業情報をお子さんと共有している、との話を聞きます。
【まとめ】
高卒採用スケジュールは細かくスケジュールやルールが決められているため、きちんと確認してすすめていく必要があります。
高校生の進路には、本人の他、高校の先生や保護者の意見も影響します。高校生本人の他、高校の先生や保護者の方にもうまく企業のアピールをしていくことが大きなポイントと言えるでしょう。
秋田採用サポートナビでは、秋田県内の高卒採用に取り組んでいる企業様の採用サポートを実施しています。些細なお悩みでも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
また、本コラム内に記載しました秋田県内高校2年生にご協力いただいた「COURSEアンケート」の他の結果について興味のある方は、当社までお問い合わせください。